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「‘‘お得意のヤツ”か、皆川。」
「!!」
ゾク、と背中を悪寒が駆け巡った。
カィン。
「く、」
剣を受け止めると、ロードは『目の前の大輔』には背を向けてすぐさま後ろを振り返る。
「!」
「安直な…」
その先には、『本体の大輔』。
最初に回転斬りを見舞ったのは分身体、本命は後の背後からの攻撃。
「俺の‘‘魔力察知”を前には、背後を取るなんて100年早い。」
「ち、脚の影響はなさそうだな?」
「言っただろう、問題ないと。」
桁外れの察知範囲、そう言えばロードの感知能力は並外れていた。
ドガッ!
「うげ!?」
強化された‘‘その脚”で、蹴飛ばす。
「クッソ、心網ってか…?」
「…?」
そうして気付く、手応えがない事に。
(…まさか、)
そう思った時には、足元に影が出来ていた。
「【魔斬/天】。」
「!!」
分身2体目、ド本命は上空からの居合斬り。
「相変わらず小賢しい…!!」
「っら!!」
ズキャ!!
ロードの肩が僅かに斬り裂かれた。
「こ、の…」
「来いよ、倒すんだろう?完膚なきまでに。」
皆川 大輔。二次選考から数ヶ月、恐ろしいまでに凄味が増している事を、ここで今一度実感した。
「面白い。」
ロードの眼の、色付きが変わる。
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