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ガタタ!!
思わず後ずさってしまった。
カァァ…
「なっ、なな、何が!?」
顔が赤いを通り越して燃えていた。
「アンタ、自分に嘘つくの上手そう、私と似てるもん。」
「は、はぁ!?」
今の自分は酷く滑稽だと、そう思った。
「流石はウチの怜香の元カレよね、‘‘あれだけの男”が側にいたら、惚れない方がどうかしてるわよ。」
「っ…………。」
まただ、何も言い返せない。これじゃあまるで…
「私が、大輔の事を好きだって言いたいの?」
「さっきからそう言ってるでしょ、バカなの?」
これじゃあまるで、図星みたいだ。
「自分にウソ付くのが上手いと、そういう感情を抑えちゃうから、よく分かる。」
「う、うるさい。」
苦し紛れに絞り出した反論が、これだけだった。
「いっつもそう、アイツはみんなの事を気に掛けてて、何かあったら余計なお世話をすぐに焼く。」
「ふーん、」
「だから、アンタみたいに大輔の事を慕うヤツが多くなってきた。」
それがムカつく。何であんな偽善者が好かれるんだ、何もできないモヤシのクセに。
「……でも、大輔は、いっつも側にいてくれた。これだけは、唯一アイツの良い所。」
レクシアの目が笑っている事など、もうどうでも良かった。
「アレンは、私を何年も放って置いてた。でも、大輔は…出会ってまだ少ししか経ってないけど、大輔はいつも私と側にいてくれた、気に掛けてくれた、支えてくれた、助けてくれた。」
あぁ、何でだろう、‘‘この事”は自分の中で処理しようと、自分で自分を騙そうと決めていたのに、、、
「いつの間にか、アイツは私の支えだった。」
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