第12話ーLIARxLIARー

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サワサワ… 紅葉が、夜風に靡く。 「…………そう、」 レクシアの返しは、それだけだった。 「アンタの本音、聞けて良かったわ。」 「だから、私はアイツを悲しませたくない。」 と、予想外の言葉が返ってきた。 「それってー…」 「アレンの時もそう、私がいたからアレンは自分を犠牲にした。今だってそう。」 本当に、レクシアの言った通りリサは自分に嘘をつくのが上手だ。 「恐らく近々デカいヤマ《戦争》が始まる、その時私が必ず大輔の枷になる時が来る、それが堪らなく怖い…」 「そんなの、分からない…」 「分かるよ。」 今日一番のキレのある声だった。 「アイツは、大切な物を守る為なら、例え自分の命だって簡単に捨てれるヤツよ、アンタだってそれは分かるでしょ。」 「……………。」 今度は、レクシアが何も言い返せなかった。 「だから、私はアイツの枷になりたくない、アイツの大切な物に、私はなりたくない。」 ギュ、と服を握った。 「私にとって、アイツは大切な物だから、守りたい物だから。」 「…本当、可哀想な人ね、アンタ。」 「フフ、褒め言葉として受け取るわ。」 リサの微笑みは、少し病的だった。
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