第12話ーLIARxLIARー

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「それだけ大輔の事が好きなのに、信頼はしてないんだ?」 「!!」 一瞬、胸を蹴破られた様な感覚に陥った。 「大輔は強いわよ、アンタが思っている以上に、なんて言ったって私を倒したんだから。」 「…シレッと唯我独尊ね。」 リサのツッコミは受け流し、 「もし、アンタがまだ大輔を想う気持ちが強くあるのなら、少しは信じてみてもイイんじゃないの?」 「………………。」 また、何も言い返せなくなった。 「あの貴族会でも有名な‘‘氷の女”リサ・アストラル・ウェンディが惚れた男でしょう?大輔は中々のタマと思うわよ?私はね。」 「……………。」 そしておきまりの一貫してダンマリ。 「…アンタに、何が分かんのよ。」 「分からないわよ、自分にウソばっかりついてるヤツの心情なんて分かりたくもない。」 ニヤニヤと笑っているのが声色で分かったが、あえて顔は見なかった。 「…ま、後悔しないようにしなさいよ。」 「あ。」 カララ、 レクシアはそう言って強引に話を終わらせ、部屋へと戻って行った。 『おーレクシアー!何か歌えよ!何歌う何歌う?』 『そうね、じゃあ天城越えを…』 『まさかの演歌!!!!』 テラスから見る、大輔の顔は、何故か直視出来なかった。 「何よ、悟った風な言い方して…」 ギ、とテラスを鳴らした。 「じゃあ、どうすれば良いのよ…アンタのアドバイスなんて頼りにならないわよ。」 ふと見上げた夜空は、曇っていた。 「アンタだって、自分にウソつくの、上手じゃん。」 その言葉は、フワフワと夜陰に紛れて消えた。
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