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ピッ・・・ピッ・・・
「んっ・・・?・・・」
気が付いたら俺は病院のベッドの上にいた。
「あれ?皆は・・・?」
「気が付いたみたいだね。」
「え?」
声が聞こえてきた方を向くと、灰色の服を着た若い二十代くらいの男の人がいた。
「・・・誰?」
「あぁ、驚かせてごめんね。お兄さんはこういう者なんだけど・・・」
男の人はそう言いながら、懐から黒い警察手帳を取り出して見せてきた。
「・・・警察の人?」
「そう。君にちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「それより父さんと母さんは?明は何処?」
男の人の言葉を遮って、聖也はこの場にはいない家族の所在について尋ねる。
「まさか・・・覚えてないのかい?」
「え?覚えてないって・・・何のことですか?」
未だにベッドで横になったまま、不思議そうな表情でそう尋ねてくる聖也に対し、男の人は暗い表情をしながら、聖也の家族の所在について、話し始めた。
「・・・亡くなったんだよ。君の家族は・・・三人とも・・・」
「!?」
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