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「五十嵐先輩、私と付き合ってください!」
クリクリの大きな潤んだ瞳に、フワフワのウェーブの髪、守ってあげたくなる系の華奢な身体。
こんな子に告白されたら、男だったらそうそう断らないだろう。
しかし・・・
「君とは付き合えない。」
「どうしてですか?」
「どうしてって…」
それは・・・
「私が女だから」
そう、私は女だ。
身長が185㎝あろうが、顔が男前であろうが、声がハスキーボイスであろうが、れっきとした女だ。
「女同士で付き合っちゃいけないんですか?」
そっちの人だったか。
そういうのに理解がないわけではない。
しかし、
「私はそういう趣味ないから。」
「私、諦めませんから!」
そういうと彼女は走り去った。
「相変わらず、モテるわね~桃ちゃんは。」
いつの間にそこに居たのか、近くの物陰からスラリとした美女が現れた。
私には五十嵐 桃花という可愛らしい名前があるのだが、下の名前で呼ぶのは彼女ともうひとりだけだ。
彼女は桐生 菖蒲。
名前からして高貴な印象だが、やはりそうとうなお嬢様である。
その容姿も、艶やかな黒髪に切れ長の目、スラリと伸びた手足、完璧な美女である。
近寄りがたい雰囲気の為、寄ってくる者は少ないが、隠れファンがたくさんいるらしい。
「今の、1年の今野 愛美ちゃんね。やっぱり可愛いわ。ああいうフワフワした子、タイプなのよね。」
・・・が、変態である。
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