変態は変態を呼ぶ?

2/10
前へ
/337ページ
次へ
「五十嵐先輩、私と付き合ってください!」 クリクリの大きな潤んだ瞳に、フワフワのウェーブの髪、守ってあげたくなる系の華奢な身体。 こんな子に告白されたら、男だったらそうそう断らないだろう。 しかし・・・ 「君とは付き合えない。」 「どうしてですか?」 「どうしてって…」 それは・・・ 「私が女だから」 そう、私は女だ。 身長が185㎝あろうが、顔が男前であろうが、声がハスキーボイスであろうが、れっきとした女だ。 「女同士で付き合っちゃいけないんですか?」 そっちの人だったか。 そういうのに理解がないわけではない。 しかし、 「私はそういう趣味ないから。」 「私、諦めませんから!」 そういうと彼女は走り去った。 「相変わらず、モテるわね~桃ちゃんは。」 いつの間にそこに居たのか、近くの物陰からスラリとした美女が現れた。 私には五十嵐 桃花という可愛らしい名前があるのだが、下の名前で呼ぶのは彼女ともうひとりだけだ。 彼女は桐生 菖蒲。 名前からして高貴な印象だが、やはりそうとうなお嬢様である。 その容姿も、艶やかな黒髪に切れ長の目、スラリと伸びた手足、完璧な美女である。 近寄りがたい雰囲気の為、寄ってくる者は少ないが、隠れファンがたくさんいるらしい。 「今の、1年の今野 愛美ちゃんね。やっぱり可愛いわ。ああいうフワフワした子、タイプなのよね。」 ・・・が、変態である。
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!

228人が本棚に入れています
本棚に追加