城ヶ崎 鎮という男

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「出場者の準備ができたようなので、早速始めさせて頂きたいと思います。エントリーNo.1、男子バスケ部部長、高城 孝。」 ザワザワ・・・ シーン・・・ 高城先輩が出てきたとたん、会場が水をうったように静かになった。 「これは・・・酷いな。」 「・・・酷いですわね。まぁ、噛ませ犬という事で。」 服が可愛そう・・・。 着ているセーラー服がはち切れんばかりだ。 ロングヘアのウィッグも痛々しい。 どう見ても、女装しているオッサンにしか見えない。 脛毛だらけの足に、ルーズソックスは破壊力抜群だ。 オェー 吐き気をもよおしている者まで居る。 「えーと、高城さん、ありがとうございました。さっさと捌けてください。」 高城先輩は一言も発せず、運営に引きずられるように、消えて行った。 「それでは気を取り直して、エントリーNo.2、サッカー部1年、仲川 勇人。」 オォー ヒューヒュー いいぞー これはなかなかの高評価。 チャイナドレスに、真っ直ぐな黒髪のロングヘア。 眼鏡が知的な美女を思わせる。 しかし・・・ 「・・・惜しいな。」 「服のチョイスさえ間違っていなければ・・・。」 チャイナドレスの大きなスリットが、サッカーで培った筋肉質な足を露にしていた。 なんか台無し。 「仲川君、一言アピールお願いします。」 「俺の美しさにひれ伏すがいい!」 ・・・ないわ。 やっぱりナル・・・ 女王様・・・ 一部のコアなファンが付いた。 コメントも大事な審査基準だな。
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