城ヶ崎 鎮という男

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「仲川君、ありがとうございました。では、じゃんじゃん行きましょう。次はエントリーNo.3、男子バスケ部1年、尾川 誠君。」 ウォー かわえぇー キャー可愛い! 一際大きな歓声が上がった。 女子の黄色い声も飛ぶ。 「これは、驚いたな。ほんとに男の子かい。」 「えぇ、男の娘ですわ。やっぱり似合うわね。期待を裏切らないわ。」 ツインテールに、フリルのいっぱい付いたエプロンドレス。 不思議の国のアリスをイメージした物だろうか。 それらがとてもよく似合う。 どっからどう見ても、完璧な美少女だ。 「尾川君も一言どうぞ。」 「えっと、俺、部長に頼まれて・・・だから・・・ごめんなさい!!」 真っ赤な顔をして、舞台裏に走り去ってしまった。 見ている者の目には、新鮮で、初々しく写った。 ・・・良い。 可憐だ。 なんて可愛いんだ。 会場中が魅了される。 優勝は間違いなしと思われた。 「いい・・・いいわ。面白くなって来たわね。」 菖蒲が、邪悪な笑みを浮かべていた。
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