城ヶ崎 鎮という男

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審査は滞りなく進んでいき、とうとう最後の1人となった。 「それでは、最後を飾る1人に登場して頂きましょう。エントリーNo.32、本名は伏せてほしいとの事で、偽名です。モモさん、どうぞ!」 ザワザワ・・・ 会場中がどよめいた。 あんな美人うちの学校に居たか? ・・・美しい。 女より綺麗かも。 スタイルいい。 現れたのは、ナース服の清楚な美女だった。 純白のナース服は、清潔感を漂わせ、短めのスカートからは、長くすらりとした足が伸びている。 「男にしておくのは勿体ないねぇ。女だったら、私の愛人にしたいくらいだよ。」 「フフフ、叔父様ったら。」 菖蒲は勿論、彼女の正体を知っていた。 皆私を見ている。 やはりどこかおかしいのだろう。 やっぱり出るんじゃなかった。 ・・・恥ずかしい。 菖蒲に着ろって言われて着てみたはいいけど、ナース服て・・・なんてベタな。 しかもこれ小さい。 絶対サイズ合ってないだろ。 この場から早く立ち去りたい。 「モモさんも一言どうぞ。」 「えぇーっと、こんな見苦しい物を見せてしまって、すみません。」 とりあえず謝っておこう。 ・・・なんて謙虚。 見苦しいだなんてとんでもない。 まさに白衣の天使。 会場中を魅了した。 彼女が捌けた後、一部の者は正気を取り戻した。 でも、あれ男なんだよな。
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