城ヶ崎 鎮という男

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日曜日、何故か菖蒲に呼び出された。 しかし・・・ホントにでかい家だな。 何度来ても慣れない。 大きな門の脇の、インターホンに向かって声をかける。 「菖蒲さんのクラスメイトの五十嵐です。菖蒲さんに呼ばれて来たんですが・・・」 するとすぐに、インターホン越しに菖蒲が、待ちわびたとばかりに応えた。 「待ってたわ、桃ちゃん。さ、中に入って。」 言うが早いか、門が自動で、ゴゴゴ・・・という重みのある音と共に開いた。 門の中に入っても、玄関まではまだ遠い。 門から玄関までは石畳が続いていて、その上を歩く。 少し歩くとお城のような、大きな洋風の建物が見えてくる。 敷地内には、この母家の他、使用人用に幾つかの家が用意されている。 使用人用と言っても、一般サラリーマンのマイホームより、断然豪華な造りだ。 玄関前に着くと、ひとりでに扉が開いた。 中にはズラリと使用人が並んでいて、皆一様に私に向かって頭を下げている。
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