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「今日はアップルパイを作ります。作り方は黒板に書いてありますけど、なにか分からない事があったら聞いて下さいね。それでは、始めて下さい。」
百合姉の合図で一斉に調理にかかった。
「じゃあ、林檎の皮を剥いてくれる?私はパイ生地を作るから。」
「わかりました。」
私が指示すると、愛美は真剣な声で応えた。
パイ生地の用意を終えて、愛美の方を見ると、私は絶句した。
林檎の皮というか、実を剥いている。
ほとんど芯しか残っていない状態だ。
仕方がないので、私が剥いた林檎を煮てもらったら、今度はずっと火の傍に居たはずなのに、焦がしてしまった。
パイ生地を延ばしてもらったら、麺棒に引っ付いて取れなくなってしまった。
・・・これは鍛えがいのありそうな・・・。
愛美は、女子力高めな印象に反し、料理音痴だった。
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