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そういえば遠い記憶の中に、そんなやりとりがあった気がする。
ーおとなになったら、わたしとケッコンしてくれる?-
ケッコンはパパとママがしてること、つまりいっしょに住むことだ。
そう考えた俺は答えた。
ーうん、いいよ。-
ーそれじゃあ、わたしのこと、いのちがけで、あいしてる?-
あいしてるという言葉はパパがママに言うと喜んでいる。
でも、いのちがけってなに?俺はよくわからないけど答えた。
ーうん、いのちがけであいしてる-
ーやくそくだよ。ぜったいね。-
「私の言う、結婚は”契約”って意味よ。」
「契約?」
「そう、契約。つまり、タクヤは私を”命がけ”で愛することを誓ったの。」
「はあ。」
さっぱり意味がわからない。
「だから、大人になったら。あなたの、命をちょうだい。」
リサが小悪魔のように笑った。
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