第3章

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俺はナースコールを押した。 「けぇっ…」 「大丈夫だよ…だいき」 少しして看護師さんが病室に入ってくる。 俺がだいきの左手が動かないことを説明するとだいきの傍に行き左手を触った。 「だいきくん左手押すから痛かったら言ってね」 「うんっ…」 涙をいっぱい溜めながらそう答えただいきの体は少し震えてた。 「痛くない?」 「…わかんない…っ」 「だいきくん押してるのわかる?」 少し焦った声でだいきに聞く。 「ううんっ…」 ゆっくりとだいきの腕を降ろし 注射針を刺した。 だいきの腕はピクリともせず 力なくベッドから垂れる。 看護師さんはだいきの腕をベッドに戻し布団をかけてから 病室を出ていった。
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