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冷え性ならば、私が暖めてあげよう。
それくらいなら私だってしてあげれるから。
覆っていてくれた手を除け、私が彼の手を覆った。
そして胸の前までずらしてしっかりと包む。
「……ありがとう」
穏やかで何とも言えない嬉しさを含んだ初めて聞く空君の声が聞こえた。
きっと、彼が望んでいる私との関係はこういうことなんじゃないのか……
この時、空君の本音に少しだけ触れられた、そんな気がした。
そして私達はそのままの体勢で優しい空気に纏われながら、深い眠りへと二人で落ちて行ったんだ。
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