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前につんのめって空君に訴えた。
彼は困った表情を隠せないようで、どう返事しようか戸惑っているみたいだ。
それでも一度スイッチが入った私は後ろに引くことは出来なかった。
「空君と再会してからさ。私、ずっと聞いてもらってばっかりだったでしょ? 一番辛い時、そばにいてもらって慰めてもらって。でも、私何も出来てないもん。恩返しがしたいのに、何も出来ない」
眉を下げ、微笑む顔は私の想いをどう受け止めてくれているのかわからない。
だから、さらに言葉を続けた。
「私がどうして何も出来ないかわかってる?空君が自分のこと、何も教えてくれないからだよ。だから、私どうしたらいいかわからないの。どんなことをすれば空君が喜んでくれるかわからないから、何も出来ないんだよ」
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