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「あ、誰か来る」
「え!?見つからない様に幻を……」
幻覚?マリーが隠したら私以外見つけられないはずだよね?
私ほど探索能力が高い人なんかいるの?
「入口のところ。数は5。男2人は武器を持ってる」
残りは女の人だね。多分学生?迷子とかじゃないよね?
「あわわ、どうしよどうしよ」
「殺せばいいだろ」
ちょっと、お兄ちゃん。
「こんな所で殺ったら花が」
赤く染まる!やだ!
「そうだな。東の方の刀とかいう物だと斬らずに済むんだが」
お兄ちゃんのは鞘に紐がついてて肩にかけてるよ。
和国以外はだいたい両刃だから。しかもお兄ちゃんのは凄く切れ味がいいし、力も強いし。
私は近づかれたら終わるんだろうな。
「うーん。とりあえず奥に隠れよう?もう直ぐで来ちゃう」
3人で奥まで歩くと、また道が出来てる。入ったところと同じような感じ。
こっちは整備なんか一切してないから壁にするにはいいんだよ。でこぼこなの。
「ここがその場所なんですか?」
5人のうちの1人。女だ。性格悪そう。
「こんな美しい場所があいつらとの境界に……。誰にも見られないなんてもったいないですわ」
なにあの口調気持ち悪い。女だな。しかも多分ここに人間を大量に入れる気だ。
あれは絶対に殺る。
「そうね。化け物を作り出す奴なんてさっさと殺って、みんなで来たいね」
化け物?作り出す……。なるほど。
「マリーを殺してここに人間を入れようとしてるみたい」
「ローラったら、話まで聞こえるようになったの?」
そこ気にするところじゃないよ!
「動きはわかるんだから口の動きを読めばいいでしょ」
「それもそうか」
全く。こんな遠くから聞こえるか!
泉だよ?水が湧き出てるんだよ?案外広いよ?耳がいいのは私じゃなくてお兄ちゃん!
私は見えるだけなんだから!
そりゃ、敵の動きとか分かったら近づいて来ても?ナイフ置いとけば?勝手に切られに来てくれるけど?
私は、見えるだけなんですー!
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