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足だけ止めれたらいいんだけど。
だめだ、まだ逃げてない人いる。
「って、数人捕まってるし」
「逃げるか」
逃げたいけど、追いつかれると思うし、隠れれる場所もないし。
それが分かってるのかお兄ちゃんも冗談っぽいね。
あー、お兄ちゃん居たらあとは何もいらないとか思ってたけど、安全に暮らす場所も欲しいなー。
「あの人たちを止める方法ならあるよ」
マリーがキリッてしてる。うざい。
「あー、はいはい。どうやるの?」
なんか、ロクでも無い事のような気がするんだ。
「ローラがあの真ん中で死ねば止まるよ」
え、殺す気?
「ローラは殺させない」
「死ぬ気もないよ」
死んだらそれまでじゃん。人間を止めようもない。
どういうことなの?
「ローラの肩から生えてるものなーんだ」
「蔦」
違うの?自分から見えないんだよねー。鏡とか私たちの生活ではほとんど見ないからね。どうやって作るの。
「世界樹だな」
世界樹。世界の植物をどうたらって言ってた。
「まだこの世界の世界樹は地上に生えてないからねー。多分ローラのだよ」
多分って。確証ないのに命なんか捨てられません!
それに、世界樹が生えたところで人が止まるとは思わないし。
ん?
今までの話的に私が死んだら世界樹が生える?なんで?
「死んだら体を動かさないからね。エネルギーが全部世界樹の方に行くと思うの。それで成長してくれるんじゃないかなって」
難しい。
マリーの説明が適当な時はよく分かってない時。
やっぱり確証ないでしょ。
「もうすぐ城前の敵が見えるよ」
あ、敵って言っちゃった。
あの中にお父さんも多分混ざってるのに。
……そう考えたら殲滅したくなるね。あいつら殺せるなら命なんか捨ててやろう。
「多分世界樹の中で眠るだけで死なないんじゃないかな」
それはそれで嫌だな。お兄ちゃんと会えないと暇そうだ。
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