これが私達の日常

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私達が住む町と、人間が住む街の間には小さな森が広がっている。 私たちも人間から生まれたのに人間じゃないって、変だよねー。 あ、この森には沢山動物がいて、食べ物に困った時にここで狩りをしてたりするよ。泉を見つけたのもその時だし。 私達の町と人間の街のちょうど真ん中辺りの洞穴をくぐった先にある泉。別に通路以外は空が見えないわけじゃない。木で隠れていて見つけにくいだけで。 温室みたいになってるこの場所は、外では見られないようなお花とかも咲いていたりする。みんな濡れている時に陽の光が当たるとすごくキラキラしていた。 花を踏まないようにと作られた細い道を通り泉の近くに行く。水面をのぞき込んでいる少女が一人。 長く綺麗な黒髪を一つに束ねていて、水面に触れないようにと背中に沿うように置かれている。反射して映る瞳は赤々しく、血を連想させた。髪の色に反して肌は白。袖のないこれまた白いワンピースは、冬には厳しいのではないだろうか。 やっぱり綺麗だなーと眺めていると、彼女が顔を上げこちらを見る。 「遅い!寄り道なかったら10分は早く来れた!」 頬を膨らませぷりぷりと怒る様子はとても可愛い。怒られている気にならない。 「ごめんね?森に来させてもらえることが少ないから、つい」 「こいつのせいで、すまない」 2人して謝るけど、この子は止まらない。そういう子だということは何回も来ているから知ってる。 てかお兄ちゃん酷い。 「こっちだって重要な話する為に人が寄り付かないように隠すの大変なの!帰りに見て回れるでしょ!毎回毎回来る時回ったから帰りはまっすぐーとか言って帰ってるじゃん!別に帰りに回ってもいいじゃん!しかもここより神秘的な場所なんてこの森にはないよ!だって人間が適当に壁にするためだけに木を植えていただけの場所だよ?ここは偶然元からあったけど端とか育ちきってすらないし!」 「長い」 文句を言えばぴたりと言葉が止まる。 「マリーあのね?なんだか最近人間たちが輝いてるのは知ってる。先に話してくれる?」 「ローラが遅かったから文句言ってただけなのに……」 あれ?拗ねられちゃった。
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