0人が本棚に入れています
本棚に追加
あれれ?さっさと話してもらおうと思っただけなのに。これじゃ話が進まないんだけど。
「遅くなってごめんね?」
「むー。今度からは森見るより先に来てよね」
やった、機嫌直った。
「んでね、呼んだ理由なんだけど」
マリーが真剣な顔で話し出す。
マリーが真剣な顔になったのは、昔、自分から出てくる魔力のせいで異端児が生まれだしたと私達兄妹に教えてくれた時以来だよ。
数年前だよ?私が一歳の時にこっちに来て、三年も立たずにここを見つけたから……何年前だろ?
「人間達がついに攻めてこようとしてる」
「まさか、早くないか?」
攻めてくる。私達を皆殺しにするつもりなんだろう。
困ったな。私達はまだ武器を作り終えていない。
マリーが言うには魔法なるものを使えるらしいけど、まだこの時代の人には魔力を貯めるための器官が無いらしくて、あまり期待しない方がいいらしい。
私は治癒能力が高くて、ものの場所が一定範囲内は完璧に分かるけど、お兄ちゃんとか力が上がるだけだし。
でも、戦い出したら痛みを忘れて突っ込んでたりする。あの時だけは治癒能力も上がるし。よく分かんない。
こっちはよく分かっていない能力で戦うのに、人間達は自分たちで作った物って、不公平だと思う。
でも、少し違うってだけで私達を殺そうとしてくる人たちなんだから、皆悪い人なんだろうなー。
人間にもいい人とか居るのかな。
「……って事なんだけど、ローラ聞いてる?」
「いや、全く」
ゴツンッ
拳骨、痛い。
「人の話は聞きましょう」
「すみませんでしたー」
人間の事を考えるとつい意識が飛んじゃう。
死合中は気付くんだけどなー。
最初のコメントを投稿しよう!