ショバ代の現代事情

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パトカーが二台、 店の前に停められていた。 店内で、テーブルの客席に座って ヤクザの名簿を木村に見せる背広の警察官たち二人。 警官A 「来たのは、コイツですね」 と、写真を指差した。 木村  「はい」     「暴力団員の名簿があるんですね」 警官B 「私たちは彼らの経歴     (プロフィール)を管理しています」     「もしヤクザを辞めたとしても、      一生残ります」 警官A 「あいつら下っ端は、乞食と一緒だから」 警官B 「不当料金の請求、つまり恐喝未遂で      緊急逮捕ですから安心してください」 と、木村を慰めた。 木村  「20年間、飲食店に勤務して      私なりに修行して、自己資金と      田舎に住む親からの援助で、ようやく     《自分の城》を確保できたんです」 警官B 「暴力団というのは、そういう      一般の方の苦労など無関係ですから」 警官A 「そんな彼らの収入源の      40%は薬で、あとは特殊詐欺や裏賭博」     「正業は10%ほどですから、      気をつけてください」 山田  「何かあったら、電話ください」 と名刺を差し出した。 木村  「ハイ、ありがとう御座いました」 そして木村は、パトカーを見送った。
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