一章 逃亡。

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幸いなことにフィナに怪我はなさそうだ。 水を含んでいたためか土砂から出る土埃は比較的少なかった。落盤の原因はおそらく俺が使った魔法だろう。 「おーい! 大丈夫かー?」 向こう側に分断したギルド員たちに声を掛ける。 しかし返事はない。埋められてしまったのかそれとも声が届いていないのか。どちらにしてももう時間は残されていない。 「仕方ない。俺達だけでいこう」 幸いなことに俺達が分断された側からは目的の待機場所まで行くことができる。構造図はフィナが持っているため、迷うこともないだろう。 「うん。そうだね」 フィナも問題なさそうだ。 今度こそ俺たちは待機場所に向かって再び歩き始めた。
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