二章 追撃。

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「これだけの情報だ、賞金は弾む。心配するな」 「ありがとうございますぅ!」 表情が一転し嬉しそうな顔になる。現金なやつだ。 「部隊の編成はどうなっている?」 いち早く部隊編成を話していたエルバートに状況を聞く。 「今回、龍族は使えません。戦力的にはデトラの奴らに頼らざるを得ませんね……」 はぁ、とため息が出る。情けない。騎士団ともあろう者達があんな奴らに頼らねばならにとは。 「俺はデトラに向かう。あの序列三位……ではなく一位に直接交渉になりそうだな」 エルバートの横を抜け、私は部屋を後にした。 足早に北館の裏口に周り、外に出る。 騎士達のレントホースが繋がれている中から自分の愛馬を見つけると、手綱を握り、跨った。 姿勢を正し、脇腹に蹴りを入れるとグランザードの街へと繰り出した。 城を囲うように存在する上流区画を抜け、市場や商店が多く立ち並ぶ中流区画に入る。 蜘蛛の巣のように作られた大通りは今日も人々で賑わっていた。 十分に確保された道幅も馬車がすれ違うにはぎりぎりだ。 歩道と車道の間の中途半端なところを通り、裏路地へと入る。 一転、別世界にきたかのように太陽の光は届かなくなる。 数多く存在するギルドの中で唯一、中流区画に存在するギルド。それがデトラだ。 中流区画の中でも最もスラム化が進み、ならず者達が徘徊する区域。そんな一角にギルドデトラの本部がある。 看板なんて贅沢な物は存在しない。ボロボロになった扉に狭い通路、外見は廃墟と言われても違和感はないだろう。 愛馬から降り、盗みの可能性など毎回心配になるがデトラの誰かしらが見張ってくれているらしい。 ボロボロの扉を奥に押す。力加減を間違えれば壊れてしまいそうだ。
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