第5章

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遠い記憶が、あたまの中で蘇る。   小指がちりちり云うのは、お母さんと指切りをした名残だ。   お母さんは、将来、こうなることを予測して、私に言葉を残したのだ。   きっと、お母さんは、お父さんのことをとても愛していたから――。   私は、走った。   急に会いたくなって、走った。   そう、お母さんの眠る、霊園へ。
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