第1章

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つーっと伸びていくその糸を、私は辿って行く。   縁側へ続く、居間のガラス戸をすり抜けて、その光の糸は外へ出た。   私も慌てて扉を開け、つっかけを履いて外へ出る。   好奇心が勝っていた、のか、それが何かの思し召しだったのか、解らなかったけれど。   夢中で光の糸を追いかけた。   すうっと、庭の松の木の下に、光は隠れた。   おそるおそる、近づくと、瞬時に火柱、ならぬ、光の柱がぼっと現れた。   眩しさに目を凝らしていると、それはやがて、ひとの形となった。   そう、亡くなったはずのお母さんの形だ。   やがて、幽霊というのだろうか、それが口を開いたのだった。
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