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つーっと伸びていくその糸を、私は辿って行く。
縁側へ続く、居間のガラス戸をすり抜けて、その光の糸は外へ出た。
私も慌てて扉を開け、つっかけを履いて外へ出る。
好奇心が勝っていた、のか、それが何かの思し召しだったのか、解らなかったけれど。
夢中で光の糸を追いかけた。
すうっと、庭の松の木の下に、光は隠れた。
おそるおそる、近づくと、瞬時に火柱、ならぬ、光の柱がぼっと現れた。
眩しさに目を凝らしていると、それはやがて、ひとの形となった。
そう、亡くなったはずのお母さんの形だ。
やがて、幽霊というのだろうか、それが口を開いたのだった。
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