はじめまして。鬼川恐子です。

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俺が朝家を出て大学に着くまでの約40分。 その間に、いったい何人の人と出会い、別れるのか。 その数を数えようとも思わないし、知りたくもない。 なぜなら。 俺の瞳に映るのは、生きているものだけでないからだ。 別に、この世のものではないものが見えたからと言って、俺にはどうすることもできない。 せいぜい、見えていないふりをするだけ。 今までそうやって生きてきた。 この19年間。 俺は、なるべく関わらないように生きてきたのに。 忘れもしない5月23日。 俺の人生が変わった日だ。
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