はじめまして。鬼川恐子です。

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「ったっく。 真由のやつ、自分から呼び出しといて遅刻とかなめてんだろ。」 俺は近くにあるベンチに腰掛ける。 俺の目の前をたくさんの人が行き交う。 その中には、もう死んでる人が混ざっている。 自分の足で歩いているもの。 その場にうずくまり動かないもの。 生きてる人に憑いているもの。 俺は目を合わせないようにする。 自分の存在を知られないようにするための最善の策。 「・・・お。」 美人発見。 肩にかかるかかからないくらいの緩いウェーブのかかった金色の髪。 大きなぱっちり二重の瞳。 すれ違う男性が横目で彼女を見ている。 それくらい、魅力のある女性だ。
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