レンズの魔法がとける時

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彼女は店長の妹さんらしい。 店長とは違い、寡黙で清楚で可憐で。 べっこう飴のようなフレームの丸眼鏡が似合ってて。 肩まで伸びたミルクティー色の髪を無造作にキュッとうしろに結んでて。 口元にあるホクロが色っぽくて。 もう。すべてにおいて俺のどストライク!!! 初めて会ったあの日の衝撃は今でも覚えている。 全身を駆けめぐるゾワゾワとした感覚。 心臓を矢で射抜かれたように一瞬その場に立ち尽くしてしまった。 あの瞬間、俺の心臓はきっと止まってたと思う。いや。実際には止まってないけど、なんかそんな感覚に陥ったんだよ! けど。 彼女は対人恐怖症ぽくて、なかなかお店の表側には出てこない。 いつも花達が鎮座するガラスケースの後ろでアレンジやら伝票整理やらをしていた。 時折、花達へ微笑みかけている顔を垣間見れた日なんてもう!天にまで登る気分。
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