レンズの魔法がとける時

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あまりの驚きに手に持っていたパンジーを落としそうになった。 やばい! 店長に気付かれる。 何もなかったようなフリをして視線で彼女を追えば、会釈でずり落ちた眼鏡をクイッと直していて。 あぁもう、好き。 その仕草も大好きです!! 身震いすら感じる。 軽い快感に酔いしれていると、君さぁ。と店長に話しかけられた。 見ればレジスターの上で頬杖を付いている。 「花の受取人と進展はねぇの?」 唐突にそう聞かれて、ハッとした。 これは……バレてる? 「いや、花買ってくれんのは嬉しいんだけどさ。もう随分と長ぇだろ?さすがにちょっと気になってな。」 すみません。あなたの妹さんに恋してます!!とは言えず……何も。とだけ呟けば、そっか。と、まぁ、頑張れや!と応援されてしまった。
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