レンズの魔法がとける時

7/11
前へ
/13ページ
次へ
翌週。 日曜日。いつものジムの日。 そして、彼女に会いに行く日。 だけど、今日はちょっと違ったんだ。 「すみませーん!」 FLOVIS(フラヴィス)に着いて、今日はブーゲンビリアにしようと店長を呼ぶも応答がない。 あれ?おかしいな。 配達だったら店を閉めていくはずだからいるとは思うんだけど。 もう一度呼ぼうと大きく息を吸い込んだところで声がした。 「今日はなんの花ですか?」 ビクッと一気に体が硬直する。 丁寧な応対。店長とは明らかに違う声。 いつもはガラスケースの奥にいるはずの彼女が何故か俺の後ろから現れた。 「え?や、えと。あの!!」 ……しどろもどろ。 後ろを振り向くことも出来ず、あたふた。だっせーな、俺。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加