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「………援助交際してるとか噂立ってるから気を付けた方がいいよ」
「大丈夫
してないから」
私はクスクスっと小さく笑って受け流した。
クラスの中で浮いている私。
誰にも自分の話をしないから好き勝手言われてる。
勿論ヌードモデルをしている話も、藤井ケイのモデルだっていうのも話していない。
「藤井ケイのインスタ更新されたよ!
ハート一番ゲットした!」
突然藤井ケイの名前が飛び出て、驚いてしまう。
声のする方に目線を向ければ、クラスの中心人物がスマートフォンを片手に騒いでいた。
その周りの数人もコンビニのお弁当を手にスマートフォンを見ている。
「藤井ケイの写真、もろにツボなんだけどー
ってかさ、まだ判明してないの?
この裸の女」
「顔隠れているからね
藤井ケイの妻とかなんじゃないのぉ?」
「知らないの?
ケイ、完全否定したらしいよ」
電子レンジがチンっと音を立てた。
慌てておにぎりを取り出し、足早に自分の席に戻る。
おにぎりを食べる前に私もスマートフォンを持ち、藤井ケイのインスタグラムを開く。
そこには、昨日撮った写真が載っている。
上げて数分も経たないのに、ハートは沢山ついている。
レースの下着を身に付けた私の下半身。
いつも思う。
これは私であって私じゃない。
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