Ⅰ×百戒

18/20
前へ
/20ページ
次へ
「ふ……はは。ははは。はーーっはっはっは!」  僕は大口を開け狂ったように大声で笑うと、クシャクシャと髪を掻き乱した。 「り、龍児さん!?」  更に徐に人差し指を立て、それを--  ズボッ! っと鼻の穴に突っ込んだ。 「んま!?」 「ああ! 何年ぶりだろう鼻をほじるのは! チョー気持ちーぜ!」  母様の前で次々と家訓を破っていく僕。  10年間、積もりに積もった感情が、一気に爆発したのだ。 「母様、いや母さん! 今日から僕、いや俺は俺のルールで生きる! もう誰にも束縛されたりしない!」  その言葉で母さんは糸の切れた人形のようにヘナヘナと座り込んだ。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加