第1章

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俺は勇者。先ほど魔王を倒し、世界に平和を取り戻した。 長い戦いだった。 15歳のとき王に命じられ、魔王を倒す冒険に出た。 行く先々で仲間を増やし、馬車やら飛空船やらを使って、魔王城にたどり着くまで5年を要した。 5年前、冒険を始めたばかりのときはまだ未熟な子供だった俺も、ながい旅を通して一回り成長し、少し大人になれたと思う。 魔王城に着いてからも長かった。 魔王の部下である四天王を倒したら裏四天王みたいなのがいたり、近衛兵やら右大臣やら左大臣やら魔王城についてからの中ボスが多すぎた。 途中、魔王城料理長とかまで出てきたし、魔界メイド軍団は数で攻めてきたし、メイド長は別で出てくるし、さらには魔王の愛人とかまで出てきていた。 正直、雑魚モンスターよりボスのほうが多かった。 しかしその長い戦いも終わった。 俺はパーティーメンバーであり恋人でもある魔法使いに言った。 「さあ、一緒にかえろう。俺たちの町へ。」 「はい。勇者様。」と魔法使いはうなずいた。 「熱いね、お二人さん!」 「私が無下にされている気が…」 同じくパーティーメンバーの武闘家と僧侶(生臭坊主)が言う。 さあ、あとは王様に報告して、家に帰ったら久しぶりにゆっくりとお風呂に入ろう。 魔法使いと洗いっこできたらいいな。 誘ってみよう。 「…勇者さま、私を見ながら変態めいたお顔をなされていますが、なにか御用ですか?」 気づかれている。 魔法使い怖っ。
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