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「さすがは、元藩士様だな。
こちらも負けねえように、諸士監察の役を強化せねばならんよ。近藤先生」
俺達は呼び出しをくらう前にと、中立売にある守護職邸に急いだ。
そう、大和屋は守護職邸の近くであった。
とにかく頭を下げ、みっともなくも弁明をするしかなかった。
「とんでもない事をしでかしてくれたの。
が、しかしこの書状は有難い。
大和屋が幕府の役所と組んで、不相応な交易をしておったという証拠はこれで隠滅できるわ。
何、我らの報告には、襲撃したのはただの浪士としておこう」
公用方の外島殿は、寛大なお言葉をかけて下さった。
「しかしながら、その事をどこから拾ってきたのかが問題でござるな。
近藤君、芹沢らの周辺を探る必要があるやも知れぬぞ。
どちらにせよ、今後このような騒ぎを起こせば、厳罰もあり得ると肝に銘じよ」
「はっ」
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