政変

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 ――俺に、泣くな、て言うたけど、沖田さんのが泣きそうなツラしてたやんか……。  ミブロが忙しくなるいう事は、なんぞ争いでもあるってことやろう。  お梅さんのことが、益々心配やった。  それでも、仕事に追われる俺は、お梅さんを迎えに行くことすらできんかった。 ◆◇  芹沢局長の凶行は止まらなかった。  あの菱屋の妾は、知らぬ間に八木の母屋の芹沢の部屋に住んでいた。  昨日は、島原きっての揚屋、角屋で大暴れした。  何が気に入らなかったのか、店の物を壊した上に、戸締め(営業停止)まで言いつけた。  結局二日空け、再び外島殿の前にて頭を下げる羽目になったのだ。  しかも、今回は俺と近藤さんだけじゃねえ。沖田に原田、山南さんまでもが呼び出された。
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