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「さて、話は変わるが、先日、長州の桂らが聖上(孝明天皇)を謀り、此度大和行幸(孝明天皇の、神武陵、春日大社への攘夷祈願参拝)が決定致した。そこで我が藩と薩摩が手を組み、これを阻止しようと動いておるのじゃ。
すでに秋月氏がお殿様の同意を得て、青蓮院宮様(中川宮)お力添えのもと、此度の行幸延期の御内諾を頂けるよう画策しておる」
何だか知らぬが、急にでかい話になって、近藤さんも俺も相槌すら打てずにいた。
「で、本題である。
近藤、この戦に参加されよ」
――戦、だぁ? 行幸延期の申し立てがどう転ぶと戦になるんだよ?
思わず外島殿の方を見た。
「この行幸が実現すると、朝廷が長州の意のままになるという事態になりかねん。
それを阻止するべく、長州の御門警固罷免の内諾を頂く。さらに、聖上を謀り、公武御合体の邪魔立てをした謀反の罪で、長州と手を組んだ公卿と共に、京から追放する」
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