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御所での騒ぎは、七卿堕ちと呼ばれた。
長州に同調していた為に京を追われた公家が、右大臣を始め七人いたからだ。
あの騒ぎのあと、攘夷志士らの抵抗が激しくなり、殺傷事件が頻繁に起こった。
人を斬るのがへたくそだった俺も、いつの間にか簡単に首を落とせるようになっていた。
「なあトシ、俺は此度の出陣で、芹沢先生を見直したよ。
さすがは天狗党でやりあってきただけはあるよ」
「永倉みたいなことを言うない」
芹沢と同門の永倉は、事あるごとに芹沢さんの肩を持つ。
「だが、わしではあのようにはいかんよ」
会津の指示どおり蛤御門に集結したものの、俺達を知らぬ会津の兵は、賊だと思ったらしく、門前払いされたのだ。
戸惑う俺達を横目に芹沢さんは、会津藩士の突き出した槍を鉄扇で払い、大声で名乗りを上げ、『我らを知らぬとは何事か!』と罵った。
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