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その日以来、お梅さんも、俺が中庭に面した縁側の掃除をする時間にやって来て、ちょっとした無駄口をたたいていくことが増えた。
「なあ、藤吉はん、おぶう入れてえな」
その度にお茶を入れろとせがむのだ。
「今掃除中ですよって、もう少し待ってくだせえ」
そう言いながらも俺は、冷ました番茶を湯呑に入れて持って来てやった。
お梅さんの来た年は残暑が厳しゅうて、白いうなじに汗をかくのんが気の毒やったさかい。それになんだかんだ言うても、噂好きな女衆の居るお勝手には、入りにくいみたいやったしな。
秋も冬も、やっぱりお梅さんはこの縁側に腰を下ろしに来はった。
そのうち、何度かに一度は、だんさんも一緒に腰を下ろしたんや。
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