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タケルは小学校に通っていた。5年生だ。
不登校気味で殆ど家で私と過ごしていたが、たまに先生に説得されて学校に行く事があった。
そんな日はいつも愚痴を聞かされる。
「先生は分かって無いんだ。レベルの低いクラスメイトと勉強するのがどんなに苦痛なのか。
あいつらは学校に勉強しに来てるんじゃなくて遊びに来てるんだよ?そんな連中の中で真面目に勉強してても浮くに決まってるじゃないか」
膝を抱えながら、私の隣でぶつぶつ言っている。
「でしたら、タケルも勉強をやめて、遊べば良いのではないですか?」
論理的に導き出した答えだった。だが、そう言うとタケルは拗ねた表情をする。
「遊ぶ相手なんていないよ。奴らは根本的に僕と違うんだ…」
タケルは小学生にして大学院レベルの頭脳を持っていた。本来なら飛び級で大学に行っててもおかしく無いのだが、ご両親が「子供の内は子供と笑え」という私にもよく分からない理由で小学校に通わせている。
そんなご両親も海外の出張が多く、家には滅多に帰って来ない。
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