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倉庫は家を出て、すぐ隣にある。 タケルが機械の製造所として使っており、中には様々な工具や材料、ガラクタの山があった。私の古い身体たちもシートに覆われて置いてある。 タケルの向かうまま奥に進むと、ガラクタを押し退けて作ったような狭い場所に4輪バイクが置いてあった。 座る席はあるが、操縦するハンドル等が見当たらない。代わりに中央に楕円形の穴が空いている。 「この穴に入ってキューイチが操縦するんだよ。足の爪先からプラグが出るから、それを穴のそこの接続部分に差し込むんだ。それだけで自分の足のように操縦する事が出来る」 「タケル、私は運転免許を持っていません。違法になってしまいます」 「あ、いや、だから、違うよ。これはキューイチの足なんだって。自分の足で走るってだけで運転免許が必要なのかい?」 首をすくめながらタケルが言う。 「なるほど、理解しました。確かにそれは違法ではありません」 「そう来なくっちゃ!」 タケルは21インチのテレビほどの重さの私を勢いで持ち上げて穴に押し込んだ。 穴に私のボディがピタリとハマると4輪バイクにエンジンが掛かり、宙ぶらりんの私の足を何かが掴んだ。 「タケル、穴の中に誰かいます」 「自動的に足を固定するようになってるんだよ。心配要らないから爪先のプラグを出してごらん」 言われた通りにプラグを出すと、中でガシャンとハマる音がした。
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