第1章

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地球に衝突するまで24時間程の時間しかなかったが、各国の研究機関は最後の最後まで、小惑星の軌道や規模、衝突する場所やそれに伴う被害などの情報収集と計算を行っていた。 私はそこに目をつけ、各国の研究機関が収集した情報と計算結果のデータを過去に持って行き、地球が受ける被害の規模を何度もシミュレーションする。 地球は小惑星との衝突による被害だけでなく、巻き上げられた土砂によって発生した氷河期により凍りつき、人類は絶滅する事が予想された。 地球が、人類がなんとか生存できる環境に戻るまで、計算では約500年かかるらしい。 そこで私は、衝突による被害や、それによっておこるであろう二次被害、三次被害、氷河期による被害などを全てシミュレーションして、一番被害を受けない場所を特定。 その場所に対小惑星シェルターを建設。 そこに、肉体的にも医学的にも健康で、頭脳明晰な20歳前後の男女800人を冷凍睡眠させ収容。 その他に私自身や、私の計画を手伝ってくれた人達を収容した。 地球が人類を受け入れられる環境に戻るまで、彼らと彼らの子孫はシェルターの管理と維持を行う。 刻一刻と大きくなる小惑星を、シェルターの中でも一番安全なこの場所で眺めている私は、何が何でも生き残らなければならない。 なぜなら、この計画が失敗と悟った時点で即座に時間を巻き戻し、次の計画の実行を行う為である。 私は、人類が生き延びる為に、私の持つこの力を最大限に使い、寿命で死ぬその瞬間まで、生き続けなくてはならない。
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