第1章

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A「ねぇ、あなた……」 B「どうした、栞を首に当てて……」 A「これで私の首、切れるかな?」 B「おやめなさい」 A「そうよね。本に血がついちゃうもんね」 B「いや、そういうわけでは……」 A「じゃあ、何よ」 B「白いバラに赤い血が付いたら、せっかくあげたのに悲しいよ」 A「私の心配じゃないのね」 B「いや、だって切れないから……」 A「……」 彼女は黙って本を見つめる。私は今日も彼女が本を読んでる邪魔をしてしまった。そっとしておこう。彼女が寝たら掛け布団かけてあげよう。そうやって部屋の扉を閉めて出て行くのだった。
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