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A「ねぇ、あなた……」
B「どうした、栞を首に当てて……」
A「これで私の首、切れるかな?」
B「おやめなさい」
A「そうよね。本に血がついちゃうもんね」
B「いや、そういうわけでは……」
A「じゃあ、何よ」
B「白いバラに赤い血が付いたら、せっかくあげたのに悲しいよ」
A「私の心配じゃないのね」
B「いや、だって切れないから……」
A「……」
彼女は黙って本を見つめる。私は今日も彼女が本を読んでる邪魔をしてしまった。そっとしておこう。彼女が寝たら掛け布団かけてあげよう。そうやって部屋の扉を閉めて出て行くのだった。
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