始まりの者たち

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生肉の調達及びサテラの弓の特訓を終えて俺たちは集会所へと帰還していた。 今回を通して、改めてサテラの才能の高さと、腕前の未熟さを認識してしまった…やはりハンターになるまで面倒を見るなんて言わず、すぐに回れ右といって家に帰すべきだったのだろうか… いや、俺だってね、迷ったんだよ?サテラとは幼馴染なだけあってサテラのオヤジさんともそれなりに仲がいいし、どれだけ娘の事を大切に思っているかも見てきたわけだしさ。……まぁ…サテラの人生はサテラのものだしな…それに、腐れ縁だしな…サテラがなりたいというなら出来る限り力を貸してあげたいんだよなぁ 「はぁ…甘いなぁ…俺」 「レイっ!早くごはんたべようよ~!」 こっちは真剣に悩んでいるというのに悩みなさそうな能天気にも元気な声に、若干ため息をつきながらもどことなく癒されるレイであった。 ---------------------------------------------------------------------- 「さてっ、今日は何する?」 「むすぅ…」 弓の特訓から約一ヶ月、レイ達はハンターなのにハンター生活を行なっていなかった。 先に言っておくがハンターをやめたわけではなく、ハンター生活をやっていないだけだ。鉱石の採掘やキノコ類の採取、たまに小型モンスターを狩ったりして生活費面々を稼いでいた。 「大型狩りに行きたいです」 「却下だ」 「うぅ…なんでさぁ…確かに最初の頃は色々やらかしましたよ?…でも最近はうまく立ち回れてるじゃんかぁ…」 「…」 確かに…ここ最近は、度重なる採取や採掘、弓の特訓を繰り返してきたおかげで、サテラは狩場内の立ち回り方を覚え、弓の腕前は上がってきたのは事実だ。 ランポスなどの小型モンスターを相手にした時も、うまく立ち回り、1人でも狩ったりできるようになったから、自信もついたんだろう。 でも、大型モンスターは別だ。小型モンスターとは”違う” ぽっとでの新人ハンターでは、自分から餌になりに行くようなものなのだ… 「…せめてあと1人いればなぁ…」 今はレイとサテラの2人、ソロで活動中の同レベルのハンターからすれば2人という数字は魅力的だろう。2人いれば1人が受け持つ役割が分担できるからだ。ドスランポスぐらいなら新人のハンター2人でも楽勝だろう。 しかし、問題はサテラが経験不足な後衛のハンターなのだ。ガンナーは近接戦は不利。誰もが知っている事実だ。
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