始まりの者たち

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「簡単なクエスト…キノコ採取ですか?」 「それなら一ヶ月みっちりやらされましたよ…」 「そのおかげで狩場の地形を少しは覚えれただろうが」 レイがサテラに教えられることは限られている。一番の原因はお互いのプレイスタイルがかなり違うためだ。剣士とガンナー、その壁はかなり分厚い。そこでレイがまず教えたのは狩場の地形についての情報だった。孤島しか未だに入ってはいないのだが、キノコを採取しながらどういう通路があるのか、どういったアイテムが落ちているかなど基礎的なものだが基礎だからこそ重要な情報だ。 「キノコ採取もだけど、草食系モンスターの討伐かしら。」 「「草食系モンスターですか?」」 「えぇ、サテラちゃんの武器は弓でしょう?レイ君の武器とは違って的確に矢を打ち込まないと威力が低いからね」 「なるほど…」 「草食系モンスターならあまり動かないし、それにもう直ぐ冬のせいかしら、生肉の納品クエストが多いからね」 「数をこなせばそれなりの報酬にはなりますね…」 生肉の納品クエストは一般的に新人ハンターが狩場なれなどをするために良く受けられる超が付くほどの簡単なクエストであり、報酬もあまり期待できるものではない。というか、草食モンスターであれば一般市民でも狩れてしまうためだ。 しかし、今は冬の季節、草食系モンスター達は狩場の奥にこもる。そうなれば、狩場を歩きまわらなければならなくなるため、大型モンスターに出会う確率があがってしまうのだ。だから、この季節は生肉の納品クエストとしてハンター達を頼ることが多くなる。 「確かに危ないことをしなければいけるな…サテラ、どうだ?」 「た…たぶんいけると思う」 「なら決まりだな、明日の朝に集合だ」 こうして次のクエストが決まった。
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