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「…僕はあなたに守ってもらうほど弱くないよ?それに、もう死んだのに僕を何から守るというの?」
僕がその言葉を発した途端、あと1歩だった距離が死神によって詰められた。
攻撃されるかと思って身構えたが、予想していた衝撃はこず、僕は死神の腕の中にスッポリと収められた。
僕なら、1歩詰めれた時点で殺してしまいそうだったが、何故かことの時はそうしなかった。
ぎゅうっと死神は僕を抱きしめながら言う。
「…そうだな。確かにお前は強い。おれより強いかもしれない。だけど…だからこそ、おまえは傷ついていた。
おまえ、知ってるか?人を手にかける時のおまえの顔。
傍からみりゃぁ、狂ったように笑ってやがるが、俺には、今にも泣き出してしまいそうな小さな子供の顔に見えたんだ。俺はもう、おまえにあんな顔はさせたくねぇ。おまえを傷つける全てから俺はおまえを守ってやる。」
僕は僕を抱きしめる腕にだんだん力が入っていくのを感じながら、その言葉を聞いていた。
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