目覚め

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…不思議だな。 僕が誰かに守ってもらうほど弱くないのも、誰かに守ってもらう価値がないのも、僕が一番わかってたし、その考えは今も変わらない。 だけど…この死神の言葉が嬉しかった。 実際、自分がどんな顔をしていたなんて分からないけど、それでも、「バケモノ」である僕のことを気にかけてくれている。 この死神はあたたかい。 そのあたたかさがどうしようもなく心地がいい。 このまま、この死神に全てを委ねてしまおうか。 そうすれば、きっと、この死神は僕を受け入れてくれるだろう。 そう言い切れるのはなぜだか分からないけど、直感…とでもいうのだろうか、この死神なら信じてもいいかも知れないと思った。 だけど… 「…僕は〝道具〟だ。僕の存在価値はソレだよ。あなたの言うように僕が守られ、使われなくなってしまえば、錆び付いて壊れてしまう。…僕にはこの力しかないんだよ。だから、あなたは僕を守らなくていいんだよ。」 死神から少し身体を離し、死神の目を見てにこりと笑いながら言えば、死神はひどく悲しそうな顔をした。
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