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そんな僕が 「…やっと死ねる」 不意に口から出た言葉。 そして、自らの死を感じ、ホッとした。 たぶん、僕はこの綺麗な空の向こう側に逝くのではなく、地獄に堕ちる。 それは、自分がしてきたことを考えると当然だ。 地獄はどんなところだろうと考えながら僕は目を閉じた。 「おー、やっと死ぬのか」 突然声が聞こえた。 「…へ?」 え、あれ?まだ生きてる人いたの? 先ほど閉じた目を開くと、そこには死体が無かった。 さっきまで、見渡すがきりに転がっていた死体が一つもない。 その代わり、黒い〝ナニカ〟がいた。 その〝ナニカ〟は、僕に向かって話しかけてくる。 「これまで散々俺の仕事増やしてくれたなぁ…。 でも、まぁ、これで少しは楽になるだろ。 ってことで、 魂貰いに来てやったぜぇ?」 ってことで、って言われても意味がわからない。 とりあえず、 「僕は死んだの…?」 と、自分の状況を確認しようと、自分の身体を見てみる。 …ない。 何もない。というか、見ることすらできない。 今の僕は、目がどこにあるんだろうか。 戸惑ってる僕をみて〝ナニカ〟は言う。 「今のお前に本体はない。今、ここにいるお前は魂だ。丸くてふよふよ浮いてるな。」 「た…魂…?」 そんなもの、ほんとにあったんだ…。 でも、魂ってことは、僕は死んでるってことだよね? と、軽くパニックになりかける。 「そうだ。お前は死んだ。だから、俺がこうやって来てやったんだ。」 〝ナニカ〟は面倒くさそうに僕を見る。 そこで僕は気づく。 さっきまで黒い物体であった〝ナニカ〟が徐々に人の形になってきている。 黒い服にを着ていて、その服についたフードを深く被っている。 フードの下から見える目は、赤い。 顔は整っていて、美少年って感じだ。 「…あなたは…?」 僕はその顔にみとれながら言った。 「俺?俺はお前を貰いに来た死神だ。」 死…神…? あの、魂を狩るという…? あぁ、確かさっきそんなことを言ってたっけ?
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