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「僕は君に狩られて、地獄に堕ちるの?」 そう僕が聞くと、死神は少しびっくりしたような顔をした。 「…いや、地獄には堕ちない。 輪廻って知ってるか?お前はまた生まれ変わるんだ。」 「生まれ変わる…? やっと死ねたのに…?やっとやっとやっと楽になれるって思ったのに!?」 死神の言葉を聞いて僕は叫んだ。 「またあんな所に戻らないといけないの!?腐った血の匂いしかしないあの場所に!?やだよ!絶対やだ!!」 目からは涙が流れる。 泣いたのはいつぶりだろう。 待ち望んだ〝終わり〟がやっと来たと思ったのに、またあの場所に戻らなければならないという絶望に僕は耐えられなかった。 やだやだ!!と泣き叫ぶ僕を哀れに思ったのか、死神は口を開いた。 「そんなに生まれ変わるのが嫌なら、死神になるか?」 「ぅ…グスッ…し…に…がみ…?」 「おう。死神になって、ずっと俺と共にいるか?」 死神…。死を司る神。人間ではない、異質な存在。 あの場所に戻りたくない僕にとって、人間以外になれるならなんでもよかった。 だから、僕の返事は決まっている。 「…なる。」 「…おっけ。」 そう言うと死神は僕を…正確には僕の魂を手に取り、口付る。 すると、僕に身体ができた。 だか、力が入らずに、その場に崩れ落ちてしまう。 死神はそんな僕に再度口付をした。 しかも、唇に。 ちゅっ と小さなリップ音。 唇を舐められ…カリッ 「…っ」 舐められた場所を噛まれた。 口の中には広がる鉄の味。 死神は噛んだ所を舐め、そのまま僕の口内に舌を入れてきた。 「…っ、…ん……はぁ」 くちゅくちゅと音をたてながら僕の舌を絡めとろうとしてくる死神の舌が気持ちよくて、頭がぼーとする。 長いキスが終わり、死神が口を離す。 キスが終わっても、ぼーとした頭は治らなくて… あれ…眠たい…。 朦朧とした意識の中、死神が何か言っているのが聞こえた。 「やっと…てに…れ……」 何を言ってるのかは聞き取れなかったけど、死神が少しだけ微笑んでいるような気がした。 そして、僕はそのまま意識を手放した。
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