No.6 [2015/12/22]

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----- 2015/12/15 -------------------- 台所の床下収納。 その中は宇宙のように広い空間が広がっている。 宇宙のようであるのは、広さだけではない、星もある。 宝石が暗黒の中に浮き輝いているのだ。 その床下収納の扉は、スズランの花で封がされている。 中の様子は何人も伺い知ることができない。 スズランの花がレモンと蜂蜜を混ぜたような匂いを立てる。 酸味の強い匂いに誘われたか、蜘蛛が一匹やってきた。 ----- 2015/12/16 -------------------- 「これはテストだ」 低く邪悪さを感じる声が響き、平原に霧が立ち込めはじめた。 魔法剣士スズキヤは光り輝く長剣を鞘から抜き、正面に構えた。 四方を白い霧に囲まれ視覚は意味を成さない。 あちらこちらからキリキリと小さな音が聞こえ、 掌サイズの氷針がスズキヤの体を目掛けて飛んでくる。 スズキヤは目を閉じ、剣と音に意識を集中する。 ヒュッヒュと剣が輝く軌跡を残す。 スズキヤの口から息が漏れる。 氷針が脚に突き刺さっていた。 ----- 2015/12/17 -------------------- 「ほぉ、趣深いな」 笠原教授は、ザザムの「書庫」を見て感嘆の声を漏らした。 淡黄色の石で作られた部屋に、様々な言語で書かれた本が整理されている。 「笠原先生、ここは集中するのにピッタリですよ、太陽と月の力を感じられる」 「お前のピラミッドへの熱意はすごいな。買い取って書庫にしてしまうとは」 ザザムは作業用の机から図や式が殴り書きされた紙を手に取り、笠原に示した。 「この近辺の地理や建造物について調べていて、気がついたことがあるんです」 笠原はその紙に目をやった。 「ほう、そういうことか、ここに埋まっているんだな?」 「そういうことです。ここら一体のピラミッドは上部構造というわけです」
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