漫才コンビ ちゅんちゅん

テレビ出演

テレビ出演の話が舞い込んできたのは、コンビ結成一年を過ぎた頃。

師匠たちのマネージャー…五木さんが持ってきた話でした。
『様々な分野の新人に半年間密着する』というテーマの連続ドキュメンタリー番組です。

師匠たちは、乗り気ではありませんでしたが、最終的には『寄席のためになるなら』と出演OKとなりました。

密着されるって、本当に面倒なことです。
「そこにいられると困るなぁ｣と思っても、私たちは新人ですから文句も言えません。
正直「はやくオワレ～はやくオワレ～｣と、唱え続けておりました。

姉は素直に、自分の生い立ちを語りました。
人に迷惑が掛からない範囲で淡々と…。

お客さんが増えだしたのは、放送が開始されて一ヶ月ほど経った頃でしょうか。
三人もいればいい方だった客席に、若い男性たちがやって来るようになり、放送が終わる頃には毎日ほぼ満席。

多局からもテレビ出演の依頼がきましたが、さすがにそれは師匠の許しが出ませんでした。